令和5年第2回上野原市議会において、2023年6月14日に「一般質問」を行いました。
その質問と答弁の概要をお届けいたします。
1 水害対策・防災対策
⑴ 水害から市民を守るため「市水防計画」の見直しについて
【質問】
梅雨前線の活発化や台風シーズンとなって参りました。最近の降雨による災害は、巨大化、広域化が目立って来ています。地球温暖化による「気候変動」が原因といれ、今まで以上の対策が必要とされています。昭和57年8月1日、夜、台風10号の大雨により、桂川が氾濫し、新田地区が大規模な洪水にみまわれ、床上浸水67戸 (最大88㎝) 、床下浸水52戸、全半壊14棟、計132棟が被災しましたが、その被害の実態を担当課としてどのように捉えていますか?
【危機管理室答弁】
過去にない甚大な被害だったと認識しております。今後このような災害が起こらないよう、地域防災計画の修正やハザードマップ策定と併せて地域住民に周知していくとともに、関係機関とも対策を強化していきたいと考えています。
【質問】 市の地域防災計画に「新田地区の130名が桂川橋を越えて島田小学校への立ち退き」という計画は、越水危険のある桂川橋を渡って避難所へ向かうのは、現実的ではない。非常に危険である。また、昨年9月1日、新田地区が桂川水系「洪水(こうずい)浸水(しんすい)想定区域」に指定されました。市民のいのちと財産を守る水防計画ですので、予想される水害の危険性について、市民の安全確保を第一とした水防計画の修正と、ハザードマップの更新も行い市民に周知すべきだ思いますが?
【危機管理室答弁】
上野原市、地域防災計画では、新田地区は島田小学校へ避難する内容の記載がございま
す。市からの避難情報は、基本的に早めの避難を促すこととしておりますが、議員ご指摘のとおり、タイミングによっては危険が及ぶ可能性もございます。今後、地域防災計画を修正するとともに、ハザードマップ作成の折りに市民に周知したいと考えております。
【質問(要望)】
タイミングによっては危険がというが、被災する人は皆さんタイミングが皆悪いんです。 それで被災しているんです。早めに避難情報を出しても早めにすぐ避難出来ず被災しているんですね。それで、昨年の計画修正の質問に対し、検討するといって1年、洪水水想定区域指定から10ヶ月、いのちに関わる計画ですので一日も早く修正して頂きたい。それで、防災会議で審議したのか?どのように検討したのか?防災会議を開くのは数年に1回と聞くが、防災会議条例第2条には、必要の都度開く事になっていませんか。なぜ防災会議を開かなかったのかココでは問いません。しかし、危険性は続いています。早期に会議を開いて
水防計画を修正して欲しい。すぐに出来ないなら、計画が修正されるまでの間、その危険性
や住民の行動について、危険地区等に住む市民にお知らせすべきであると思います。
⑵ 洪水浸水想定区域内における市民の防災行動
【質問】
水害の危険がある地域では、地区水防計画を策定して、訓練を行うべきであると思い
ます。消防署は当然訓練されていると思いますが、市民に対する「水防についての訓練や
指導」をされていますか?
【危機管理室答弁】
地区の防災計画につきましては、地区からの提案に基づいて行政として指導、助言を行っていきたいと考えております。 【消防署答弁】
議員指摘のとおり水防訓練につきましては、水防法の第32条の2第2項に記載があります。消防署は、土嚢袋や砂を貯蔵しており土嚢の作り方、土嚢積み工法の訓練、令和4年の大月市で開催された県主催の水防訓練を視察しています。また水防団としては、県消防学校で消防団員の部長以上の指揮幹部教育等で、水火災の災害対策、現場活動要領では、水防関係に係る研修を受けていますので水防訓練に置き換えております。消防訓練として土嚢の活用方法等の訓練指導の要請があれば可能な限り対応させていただきます。浸水後の避難開始では危険を伴うことが予測されますので、早めに行動を開始していただくことが重要と考えております。
【質問】
水防作業に必要な資機材について、現在、分団詰め所に常置する水防用資機材の
配置状況は?
【消防署答弁】
消防団員の風水害の役割につきましては、市消防団条例第8条の規定により、水火災その他の災害に服務する事となっております。ご質問の洪水浸水想定区域は巌地区松留、島田地区の新田、鶴島となっていますので巌分団2部、島田分団1部2部の管内となり、水防団用資機材は消防団詰め所に、木流しを作る水防工法の伐採用に、のこぎり、チェーンソー、スコップ、照明、その他に個人装備の雨具があります。土嚢袋については島田出張所と島田分団の各消防団詰め所に備蓄しています。
【意見】
水防用の資機材は今や全分団に配置して欲しい。土のう袋、スコップ、のこぎり、雨具、照明。他に、ヒモ、なた、鎌、砂等、防水シート、パイル、救命浮き袋等も必要なものと思います。今やどこでも局地的な大雨で浸水の恐れがあります。市内では、新町の三叉路、北浦通り、奥平、鶴島など、道路の水や沢の水が民家へ流れ込む危険な場所も多く見受けられます。「土のうステーション」といって、市内各地に土のう袋を置く自治体も増えて来ています。当市でもせめて各分団(詰所)等に配置すべきと思います。
⑶ 桂川橋付近及びその上流域における浚渫の必要性
【質問】
昭和57年8月の新田地区の水害は、桂川の上流から急激な土砂の流入で水かさが増したと思われる」と報道されています。「桂川災害対策協議会」では、「桂川橋付近から上流の浚渫を行わない限り、洪水の危険はなくらない。橋脚のない橋にして、橋から上流の浚渫を早期に行ってほしい」と訴えています。それには、現在の橋の橋脚(4本ある)と旧木造橋の橋脚(数本ある)の底盤部分(ピア-又はフーチング)の撤去が必要といっています。そのためには、現在の橋を「吊り橋、アーチ式、ローゼ式、ランガー式の橋に掛け替える必要があります。桂川橋も既に61年が経過、早期の掛け替えが必要です。「耐震工事」したといっても、被災した橋は、平成28年熊本地震で、12橋が機能回復に時間を要し緊急輸送に重大な影響を受けていると聞いています。是非、橋脚が必要ない構造の橋に、一日も早く掛け替えるよう県へ再度要請してはいかがと思いますが?
【建設課答弁】
この桂川橋は、橋長200m有効幅員5.5mで昭和36年に竣工し、議員がおっしやるとおり61年が経過しておりますが、すでに橋梁点検を行い修繕を実施していると聞いております。市としましては、令和6年度県施策及び予算に関する提言・要望事項に山梨県へ桂川橋の架け替え等による通行帯拡幅を昨年度に引き続き継続して要望しております。桂川橋上流の浚渫について、山梨県に確認したところ、これまで民間事業者による砂利採取を行った経緯もあり、また、桂川の流下能力が低下する場合においては浚渫すると聞いております。浚渫については、現状の河川状況調査をお願いするとともに、引き続き山梨県へ要望していきたいと考えております。
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